南会津 大嵐山、湯ノ倉山 2010年5月29日
所要時間 5:14 登山口−−5:29 湯ノ倉山分岐(下部)−−6:20 湯ノ倉山分岐(上部)−−6:59
大嵐山 7:22−−7:44 湯ノ倉山分岐(上部)−−8:07 湯ノ倉山−−8:31 湯ノ倉山分岐(下部)−−8:39 登山口
大嵐山は湯の花温泉東にある標高1600mを越える峰で、この辺りでは高い部類と言えるだろう。伊南町方面(北)から見ると切り立った三角形に見え、本当に登れるのだろうかと心配になるほどだが、全方向に切り立っているわけではない。地形図に破線が書かれているが本当に道があるのか信用していなかったが、ネットで検索したらちゃんと道があることが分かり、雪がある時期に登っても意味が無いので雪が消えて暑くなる前の今の時期に登ることにした。おまけで西側に湯ノ倉山というピークがあり、こちらは破線が無くて多少藪漕ぎが楽しめるかもしれない。この場所でこの標高ならまだ激藪ではなかろう。本当なら今の時期はアルプス級の藪山が残雪が使えていいのだが、何せそのレベルの山はほぼ登りつくしてしまっておりネタ切れなので、私のとっての今年の残雪期はもうおしまいだ。
林道終点の駐車場(登山口) | 登山口の案内標識 |
西那須野塩原ICで降りて毎度のルートで南会津に入る。中山トンネルを抜けてしばらく走ると湯の花温泉分岐の標識を発見、左に入って集落に達し、大嵐山登山口に通じる道の入口を探す。たぶん大嵐山の案内標識があるだろうと思ったら発見できないまま集落を通過、しょうがないので地形図を出して林道入口を確認、橋を渡り返してすぐに東に入る車道に入ると100mも行かないうちに左に入る細い道があり、そこに大嵐山の標識があって一安心。すぐに鋭角に右に入り、あとは舗装された細い林道をどん詰まりまで行けば駐車場のある登山口だった。あまり広くなく5,6台でいっぱいになりそうだがメジャーな山ではないので大丈夫だろう。
湯ノ倉山にも登山道があった | 杉林を登る |
翌朝、飯を食い終わって出発。登山口には簡単なルート案内図があり、湯ノ倉山にも道があると書かれていた。おお、これで藪漕ぎは無くなったな。天候は霧がかかって日差しはなく涼しくて運動するにはちょうどいいが、まさか雨はないだろうなぁ。天気予報では北東から湿った風が入って天候が悪化しているとのことで、こういう場合は低い雲がかかっている場合が多く、下界では気温が低下して小雨が降っていても、ある高度以上は快晴のパターンが多く、大嵐山山頂は雲の上ならいいのだが。こればかりは登ってみないと分からない。晴れる高度までは霧がかかって藪が濡れているので、登山道に笹や枝がはみ出していると体が濡れてしまう。どの程度登山道が整備されているかまでは調べていない。
駐車場からすぐに廃?林道に出る | 林道の道形が残る登山道 |
最初は杉の植林帯を登るとすぐに未舗装の林道に出た。半分廃林道で少し歩くと登山道化してしまい、広い登山道を沢沿いに上がっていく。何度か沢を渡り返す(橋がないが水量が少なく問題なく渡れた)と本当に登山道に変身するが、道のグレードはさほど低下せず、青々とした草が落ちていたりするので、シーズン前に整備したようだ。
下部の湯ノ倉山分岐 | 霧の中を登る |
崩れたところは整備済み | 水が枯れた谷を登る |
やがて湯ノ倉山分岐標識が出現、こちらは帰りがけに立ち寄る予定なので下りは湯ノ倉山から下ってくるはずだ。大嵐山方面に比べて少し踏跡が薄いように感じるが、問題ないレベルだろう。大嵐山への道はまだ谷沿いに登っていき、やがて水が無くなってもまだ谷の中を登っていく。斜面が崩れたところは新たに道が切られトラロープまで張られていたので、相当な労力を裂いて登山道を整備しているようだ。
上部の湯ノ倉山分岐 | 稜線目指して登る |
標高1350m付近で再び湯ノ倉山への分岐が登場、尾根上に道があるのかと思ったら斜面の途中で、このままトラバースして湯ノ倉山の尾根に出るようだ。この道も明瞭で心配なさそうだ。といっても周囲の植生はまだ薄く、間隔の空いた笹にブナの樹林が中心で、道が無くてもさして苦労はない。
北尾根に出た | 北尾根から見た土倉山 |
ここは空白です |
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北尾根から見た七ヶ岳 | |
北尾根から見た飯豊山 |
斜面を登り終わって稜線に出ると東側の樹林が切れて展望が開け、一面の雲海が広がっていた。そう、いつの間にか雲の層を抜けて晴れのエリアに入っていたのだ。雲の上端は標高1500mくらいらしく、東側で山が見えるのは七ヶ岳と土倉山くらいだった。雲の下は寒く場所によっては霧雨が降っているかもしれないが、上空はよく晴れ渡っていた。今日は場所の選択が当たったらしい。遠くに見える白い稜線は飯豊山だった。あそこも登らないとなぁ。今頃の時期に行くのも楽しそうだが東京から遠いのが難点だ。
北尾根から見た燧岳〜窓明山(クリックで拡大) | |
北尾根から見た三岩岳〜小手沢山(クリックで拡大) |
稜線に乗ると周囲の植生は少し濃くなったがまだ我慢できる範囲だし、登山道はしっかり刈り払われていた。西から北にかけて樹林の隙間から会津駒周辺が見えたがまだかなり白かった。この時期にこのエリアに来ることは滅多になく、この残雪量が通常なのか多いのかは分からないが、まだまだスキーが楽しめそうな雪の量だった。もう少し登ると丸山岳周辺が見えるようになったがそちらも真っ白だった。稲子山から小手沢山にかけては標高が落ちるのと里に近いこともあってかほとんど雪は残っていなかった。古町丸山もほぼ真っ黒だった。
刈払いされたばかりの笹が落ちてた | 登山道上の雪はこれだけだった |
間もなく大嵐山山頂 | 大嵐山山頂 |
尾根を進むと僅かに残雪が見られるが登山道上は本当に僅かしかなかった。念のためスパッツを持ってきたが全く出番がない。まだ標高が不足しているのか尾根上は背の高い木が多く、すっきりした展望が得られる場所が少ない。山頂で展望があるのか不明なので少しでも視界がある場所で写真撮影しておく。山頂直下でようやく森林下界っぽくなり背の低い木が多くなると山頂標識が立つ平坦な山頂の一角に出た。そして標識と三角点が立つ大嵐山山頂だった。
刈払いはここまで | 枯木山へと続く稜線 |
大嵐山から見た窓明山〜古町丸山(クリックで拡大) |
山頂付近は西側に少し木があって展望の邪魔をしている他はなかなかの展望だった。周囲は一面の雲海のままで荒海山は雲の下らしい。ここへ来て南の展望が開けてすぐ近くには枯木山、その向こう側に奥日光の山々が姿を現していた。山頂付近は低い笹に覆われているがきれいに刈ったばかりのようで笹が散乱していた。たぶん地元の人だろうがご苦労様。刈り払いは山頂までで、南に向かう尾根は笹と潅木に覆われていた。ぱっと見た感じでは最初の1610mの登りが崖になっているように見えて尾根沿いには行けないかも知れない。残雪期にここを枯木山まで歩くのも面白そうだ。三角点近くに戻ってしばし休憩。山頂は上天気で日差しがあって暖かい。気温はこの標高で7,8℃だから今の時期としては低めと言える。連休中は2000m近くでも20℃近くあって暑かったのが嘘のようだ。
再び湯ノ倉山分岐へ | 湯ノ倉山への尾根に乗る |
次に湯ノ倉山へと向かう。標高を下げると山頂で見えていた雲海の中に入り気温も低下、温度計を見ると4℃を指していた。途中で温度分布が逆転しているようで、その境界が雲海の境界なのだろう。湯ノ倉山分岐で左に入り、斜面をトラバースして尾根に乗る。このルートもよく手入れされて気持ちよく歩ける。
整備された登山道が続く | 湯ノ倉山山頂 |
登りにかかって霧の中でピークが見えず残距離が掴めないが、地形図では大した距離でも高度さでもなくほどなく湯ノ倉山山頂に飛び出した。樹林が開けて明るい山頂で、北側は伐採したらしいが今は霧で何も見えない。
湯の花温泉登山口へ下る | 最後は谷を下る |
湯の花温泉の案内標識に従って北側に下る道に入る。最初は尾根上を下っていくがやがて斜面をジグザグに下るようになり、地図上でどのように道が付いているのかははっきりしなかった。ただ、最後は水がない谷に出て谷を下り、標高920mで大嵐山登山道と合流したので、その谷から上部に連なる斜面のどこかを下ってきたはずだ。
大嵐山登山道に合流 | 駐車場に到着 |
廃林道を歩いて駐車場に戻ると車が4台増えていた。しかしここまで誰とも会っていないので、私が湯ノ倉山の登山道上に入っているときに全員が大嵐山方面を登っていったらしい。この4台を多いというべきか少ないというべきか微妙だなぁ。でも誰も来ないかと思ったら予想外の人の入りで、大嵐山はそれなりに名の知れた山のようであった。
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